株式会社MIGRIDS

スプレッドシートによるデータ分析からの脱却。「hacomono」と自動連携するTableauで経営分析を迅速化し、意思決定とPDCAサイクルを向上

お悩み
・運営分析は、関数を組んだスプレッドシートで運用しているが、意図せず触ることで関数が崩れるなど、トラブルが頻発
・最新状況を知りたい時は、都度最新データの抽出から実施しなければならず、迅速に確認することができない
・担当者の解釈によって設定した関数が異なり、過去のデータと比較することが困難

実現したいこと
・誰が触れてもトラブルが発生しにくい分析方法を実現したい
・最新データに自動更新され、見たいデータを迅速に確認できる仕組みの実現
・担当者に左右されず、過去データとの比較・検討を容易にしたい

Tableau(タブロー)導入効果
・「hacomono」との自動連携・自動更新により、いつでも最新データの確認が可能に
・データ抽出や分析作業が不要となり、作業負担を大幅に削減
・本部と現場でのデータ共有により方向性を統一し、現場が納得感を持って行動できる体制を実現
・データドリブンな意思決定とPDCAが回せる体制を構築

スプレッドシートによる経営分析の限界。多発するエラーとデータ不整合に強い危機感

ELEMENTではデータ分析に力を入れており、従来は、基幹システムとして導入している「hacomono」から抽出したデータを活用し、スプレッドシートで運用状況を分析していました。本部がスプレッドシートを用意し、各店舗スタッフが新規入会数や予約数などの数値を入力する運用フローです。

しかしこの方法には、スプレッドシート特有の脆弱性という大きな課題がありました。データを入力する際に誤って関数を壊してしまったり、消去してしまうケースが多発し、その都度、本部への連絡と修正作業が発生していました。また、関数が壊れていることに気づかないまま入力が続き、後からデータ修正や再入力が必要になることもありました。

そして、データを更新するには毎度「hacomono」から最新データを抽出しなければならず、「見たいデータに迅速にアクセスできない」「リアルタイムで確認できない」といったストレスも抱えていました。

“見たいデータ”にすぐにたどり着けないジレンマから、「hacomono」と直データ連携できるTableauに期待

もう1つ課題に感じていたことが、過去のデータと比較検討が困難だったことです。当社では、Life Time Value(顧客生涯価値)を重要な経営指標の1つとして長年分析してきましたが、算出の定義が複雑なため、担当者ごとに関数の設定が異なり、まずはロジックの違いから紐解かなければいけませんでした。

せっかくデジタルツールを使っているにもかかわらず、アナログなデータ抽出や確認作業、手戻りが頻繁に発生し、店舗スタッフと本部双方に大きな負担がかかっていたのです。これらの統制を主に本部スタッフ2名で対応しており「今後店舗数が増えたら、とても対応しきれない」という強い危機感を抱いていました。

そのようなとき、「hacomono」がデータ分析・可視化ツール「Tableau」と連携したサービスを提供することを知りました。手動でのデータ抽出作業が不要となることはもちろん、スプレッドシート分析で起こりやすい様々な課題からも解放されるのではないかという大きな期待から、Tableauの導入を決意しました。

現場から経営まで、データ活用による組織全体の生産性が向上

Tableauの導入により、スプレッドシートの準備や店舗でのデータ入力は一切不要になり、さらに「hacomono」と自動連携していることで、常に最新の分析結果を確認できるようになりました。
新しく分析したい事柄が出てきた際にも、Tableauに一度ロジックを設定すれば、データが存在する限り、過去分も含めてすぐに分析・可視化できます。

データに基づいた改善も迅速にできるようになりました。
一つ目は人員配置の改善と業務効率化です。
人気の時間帯分析により、店舗の混雑状況が感覚ではなくデータで把握できるようになりました。とある店舗では、月曜日の朝や夜の予約率が高いことが判明。自営業の顧客が多いため、時間に融通が効く朝に来店しやすいなど、店舗ごとに傾向が見えてきました。それに基づき、混雑時は2人体制で対応、閑散期には1人体制にするなど、トレーナーの配置を最適化。中には、利用率の低いブースの解放時間を人気時間帯限定にすることで、人件費を2/3程度にできた店舗事例も出てきました。これにより、顧客対応以外の事務作業にも効率的に対応できるようになりました。

二つ目は、ピープルマネジメントとPDCAサイクルの向上です。
データが一元化されたことで、チーム全体の認識が一致し、指示の解釈のずれがなくなりました。チームリーダーがメンバーに指示を出す際も、感覚ではなくデータに基づいたエビデンスを提示できるようになり、相互の不満が軽減されています。また、現場が数字の変化に自ら気づき、主体的に改善策を講じる“自律的な改善”も進展しました。利用回数が減少傾向にあるお客さまを「退会予備軍」として抽出し、来館時に積極的に声かけを行うなど、データに基づいた施策が各現場で実施されています。このように、振り返りと改善というPDCAのサイクルが加速し、組織全体の成長にも、顧客満足にもつながっていると感じています。

私たち経営側の観点としては、毎週行われる経営会議資料の制作効率化や、フランチャイズオーナーへ提示するデータ活用に役立っている点も評価しています。Tableau導入によって意思決定のスピードが大幅に向上し、これまでデータの整形や出力に費やしていた時間を、より深い議論に充てられるようになり、本来注力すべき業務に集中できる環境が整いました。

今後もTableauを活用し、迅速な課題対応とお客さまが利用しやすい施設づくりを目指していきます。

株式会社MIGRIDS

施設名:ELEMENT
取材協力:株式会社MIGRIDS 最高執行責任者 森 太一 様/同 チームリーダー 西川 千尋 様
店舗数:58店
従業員数:196名
業態:パーソナルジム
Webサイト:https://element-gym.com/
※2025年7月インタビュー時点
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